こんにちは。
今回、IoTシステムを製作しましたので紹介します。
システム名は「チェイシング・リスペクト (追跡する恩義)」です。
(遠距離操作型のスタンドを出すときの発音で呼びます)
本IoTシステムの目的
突然ですが、日本の慣習の一つに
「恩人には足を向けて眠れない」
というものが有ります。
毎晩眠るときに恩人から受けた恩を思い出し、恩人の居る方角へ足を向けて眠るような失礼は出来ない
という意味で、例え人に見られていない寝室でも恩義を忘れない日本人の美徳だと思います。
本IoTシステムはこの実行を強力にサポートします。
解決すべき課題
まず、上記の言葉が使われていた江戸時代の話をします。
この頃は徒歩での移動が主だったため恩人の移動範囲は狭く、予測可能でした。
つまり恩人の住んでいる地域に足を向けなければ良いという対応が可能でした。
しかし2018年現在では車,船,飛行機などの発達により恩人の移動範囲は全世界にまで拡大 、
さらに移動経路も多様化し、方角の特定が非常に困難になりました。
これは高度成長期以来、長い間日本社会の課題とされてきましたが、
本IoTシステムは以下のように解決します。
眠る人は正しい方角に向けて眠ることができ、さらに恩人からも確認できます。
動作説明-準備編
まず本システムの運用準備を説明します。
①恩人の準備
画面下の「確認する」ボタンで後述のwebページにジャンプします。
②眠る人の準備
なお、予め眠る人の位置情報をwebページに登録しておきます。
以上で準備は完了です!
動作説明-動作編
準備後、webページhttps://chasingrespect.azurewebsites.net/にアクセスすると
以下のように恩人の方角と距離、また眠る人の足先の方角が表示されます。
おっと、恩人へ足を向けてはいけません。
感謝の気持ちを込めて、正しい方角に足を向けましょう。
人物をクリックすると各々の詳細情報が取得できるため、さらに高度な運用が出来ます。
(恩人の位置と方位の時間変化から今後の変化を予測し、眠る人は方向を調整する、など。)
動作説明は以上です。
課題は完全に解決できていますね。
参考までに動作デモの動画を上げておきます。
※テストでの最長距離は大阪府(恩人)⇔神奈川県(眠る人)での確認ですが
設計上はお互い地球上のどこに居ても動作します。
システム構成
構成は以下のとおりです。
あまりに広範囲に渡る技術のため、別の記事で解説できればいいなと思っています。
ただ、特にVue.jsは非常に良い技術だと感じたので、ここで簡単にメリットを列挙します。
●変化したデータのhtml/css要素のみ選択的に書き換えるためパフォーマンスが良い。
●データ変化時にhtml/cssの書き換えがトリガーされるため非同期入力のセンサーデータと相性が非常に良く、
プログラムも簡潔に書ける。
以上からセンサーデータのリアルタイム表示などにはとても向いていると思います。おススメです!
発展案(未実装)
今後、どのようにシステムを発展させていけるかを説明します。
①マルチプレイ(複数への祈り)モード
恩人は一人とは限りませんよね。複数の恩人にも敬意を払いましょう。
これは技術的には簡単に実装できると見込んでいるのですが、
眠る人は沢山の恩人に囲まれ、どこに足を向けていいか判断する事が難しくなります。
また、睡眠中に恩人が足先に移動してくる可能性も増加します。
新しい技術を導入すると新しい課題が産まれてしまいますね・・・
そこで次の解決案を提案します。
②足先方角 自動補正機能付きベッド
睡眠中の恩人の位置の変化に応じてフィードバックが掛かり、最適な方向にベッドが回転します。
副次的な効果ですが、もし眠る人の寝相が悪く足の向きが変わった場合も同様に補正されます。
課題は完全に解決できていますね。
まとめ
まとめます。
●移動範囲が全世界に拡大した恩人に対して、常に最適な足先の方位を示すIoTシステムが出来た。
●機能を拡張すれば複数の恩人や、寝相などの外乱に対しても常に最適な方位に足が向けられる。
●Vue.jsはセンサー向けのフロントエンドフレームワークとしてお勧め。
日本の美徳をIoTで支えていきましょう!