チカラの技術

電子工作やプログラミング

筋力トレ機能付のモーメンタリスイッチを作りました。

皆さんこんばんわ。
寒くなりましたね。
それでも家に篭って開発ばかりしていると、どんどん体力が落ちてしまいますよね。
そこで100円均一のダイソーで握る奴を買ってきました。

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この握るやつは『グリッパ』と呼ぶそうです。


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普通のグリッパに見えますが
実は底面左側にジャックがあります。


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プラグを刺します。

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持ちます。
プラグは写真右上のLEDと抵抗(赤丸の部分)に繋がっています。


Lチカァァァァアアアアアアアア!!!

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以上のように市販のグリッパをモーメンタリスイッチへ改造しました。

「なぜやったし」といいますと、普通のグリッパではすぐに飽きて使わなくなる恐れがあるからです。

これをマイコン開発のデバッグ作業用スイッチとすれば、嫌でも使わざるを得ないようになりますね。
体は暖まりますし、鍛えられますし、疲れてきたらデバッグの回数を減らそうとコーディングも丁寧になるし、
いい事だらけじゃないかなと思うんです。


開発を終えるたびに精神的にも肉体的にも強くなっていきますね!


○作り方

需要があるかは微妙ですが作り方を説明します。
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まずスポンジを剥きます。

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左側に磁石を入れる穴を空けます。(右側にも空いていますがミスです。)
中央に見えるのはネオジム磁石です。日本橋のデジットに売っていました。

さらにリードスイッチを取り付ける為に右側をカットします。

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上から見た写真です。
右側のリードスイッチはジャックとはんだづけしています。
非常にシンプルな構造ですねw

磁石とリードスイッチの間の感度調整が大事なので、樹脂を固める前に動作を確認しておきます。

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位置が決まったら2液性エポキシで仮止め接着します。
ネオジム磁石も穴に挿入し、樹脂を充填します。

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今回は上記のエポキシパテを盛りました。

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硬化後にやすりで形を整えます。
やすりがけは無心になれるので割と好きな作業です。

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塗装します。
強いて注意点があるとすれば、プラグ部に塗料が入らないように気をつけます。

塗装が乾いたらスポンジをつけて出来上がり!


せっかく作ったのでこれから、ガンガン活用して冬を越えたいと思います!
それでは!


基板を小さく作り直したよ。(2種類)

こんばんわー。
以前作った基板なのですが、もっとサイズを小さく出来るんじゃないかと思って作り直してみました。
その為にドリル穴最小径のデザインルールを0.7mmから0.4mmへと変更しました。
基板屋さんは引き続きFusionPCB,CADはEAGLEです。


Barely基板ver1.1

写真はクリックで拡大できます。

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上が前回の基板、下が作り直した基板です。
機能はそのままで横幅が2.54mm細くなりました。
1枚の寸法は20.5mm×40mm。
2枚面付けで計20枚,1100円でした。


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実装。
無洗浄フラックスではんだ付けしているので前回は使ってなかったのですが
今回はフラックス除去液を使って清掃しました。
中々いい感じです!

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同じPin数のマイコンを使っているSTBee_Miniとの比較。
(当方の基板にはLDO,RTC,ユーザースイッチがありません。)
STBee_Miniは全く隙が無いですね・・・・凄いと思います。
余談ですがSTBee_Miniも最近バージョンアップしてRTC用の水晶を搭載したとの事です。



Null_Driver_Ver1.1

前回はEAGLEのオートルータ機能で自動配線をしたのですが
無駄が多く、手配線で作り直してみました。

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表。
上が前回の基板、下が作り直した基板です。
3/5程度に小さくなりました。
1枚の寸法は35mm×73mm。
これも2枚面付けで計20枚,2700円でした。

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裏。
基板に合わせてロゴも小さいものに変えました。

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表面の実装。
部品の密度が全然違いますねw
基板作りに慣れたら
オートルータ機能は一切使わない方がいいと思います。

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裏面の実装。
電流容量確保の為にVVFケーブルから単芯を抜いて使っています。
仕様上は24V25Aまでのモーターを駆動できるように設計しました。




基板の外形を小さくしてから収まるように、配置と配線を行うのですが
ちゃんと収まるかは最後のひとつまで分からないので中々スリリングですw

それにしても個人で試作が重ねられるというのは凄い事ですよね。
いい時代になりました・・・・・


LPC1114を600mil→300milにする動画を投稿しました。

○動画投稿

こんばんわ。
ニコニコ動画【マイコン幅を】L4U【半分に斬る】」投稿しました。

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また英語の勉強のために英訳字幕で再編集してyoutubeにUPしました。
A crazy way to convert a 600mil DIP to 300mil.


○動画コメントしてくれた方へ

見て頂いてありがとうございます。
楽しんで頂けた方のコメントは励みになります。

また、特に動画の構成に関してコメントを頂いたのでここで応答したいと思います。

①最終加工前に動作の確認をするべきだった。

ご指摘ありがとうございます。
実は動作確認は樹脂で固めた時点で行っていたのですが、
動画の構成上カットしてしまいました。
今思えば、ご指摘のようにあのように過剰に演出されても
動かなければただのプラスチックの塊な訳ですから、
例えば全pinでLチカをさせてマイコンの回りをフラッシュさせるなど、
スピード感と動作確認を両立させるような演出の仕方も有ったと思います。
もう作りきってしまったので、やりなおしが出来ないのは残念ですが
次回以降活かしたいと思います。

②できたパッケージが偽モノっぽい。
確かにモッタリした形でとても似ていませんねw
自分の加工技術不足です。
ただ実際の話、いくら似せようとしてもそもそも生産方法が違うので
似せるのは限界が有ったと思います。
ですから下手に似せようとせずに奇抜な色やデザインにしてしまった方が
良かったのではと今では思います。
方向性を誤ってしまいましたね。


○技術的な補足
動画では時間の関係上、かなり端折って説明していたので
補足事項を説明したいと思います。
まずは動画後半の申し訳程度の電子工作部分から。

①SDカードからの音楽の読み出しと出力。

SDカードからのデータの読み出しはCHANさんがMARYボードに移植された
FATFSを使わせていただきました。(SPI接続です)
いつもお世話になっています。

音楽の出力はPWM出力の後段にローパスフィルタを置いて、擬似DAコンバータとして出力しています。
さらにLM386で信号を増幅してスピーカーに出力しました。

②ネギ振り

RCサーボモータをPWMで制御しているだけですw
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「音楽に合わせてネギ振り」と動画中では説明していますが
これは単純な時間同期ですw
ゲインや周波数でタイミングを合わせている訳ではないし、ましてやビートトラッキングなんて
僕のスキルではまだ無理ですw

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次に時間の都合で思いっきり端折った製作部分に関しての補足です。

①はんだ付け後の保護樹脂

実は工程自体を端折ってしまったのですが
はんだ付けした後、はんだ部分のみエポキシ樹脂を薄く充填しています。 
これは次の工程のパッケージ化の際に圧力負荷が掛かって、断線するのを防ぐためです。

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100円均一で買ったもので、出来ればこれだけでパッケージングしたかったのですが
切削性が悪く、やすりに掛けると脆く崩れてしまう為、あくまではんだ部のコーティングのみに使いました。

②パッケージング剤
ポリエステルパテのモリモリを使いました。

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 ただ、そのままでは作業性が悪かったので
粘性を下げる為にうすめ液(有機溶剤)を混ぜています。
うすめ液を使ったおかげでピン間の絶縁抵抗が1週間程度、数MΩに落ちましたw
今は揮発して絶縁が戻っていますが、あまりいい方法じゃないかも知れません。

あと、動画ではモリモリを盛った後即座に切削して整形が終わったようになっていますが
実際はこの間が製作において一番時間が掛かっていますw
欠けている所をモリモリや(TAMIYAの)エポキシパテで埋めて
乾くのを待ってヤスリにかけて、凹んでるところがまた見つかって、また埋めて・・・・
ある程度納得いく仕上がりになるのに5日間掛かりましたww
樹脂の選定など機械的な部分は本当に素人なので試行錯誤でした。

③塗装
塗装は以下の3つのスプレーを使いました。
1.サーフェイサー
2.つやなしブラック
3.つやけしクリア
クリアは動画から端折っています。


動画の為にモノを作るということ
この動画を作るために、DIPを作り直したのですが
色々学ぶことが多かったのでメモとして残しておきます。

①無駄素材

動画の為にこれでもかというくらい、写真と動画をとりましたが
7割は使いませんでした。
にも関わらず、欲しい絵が無く撮りなおしたりと色々予想外のことが起こりました。
動画のイメージをもっとしっかり持ってれば無駄も少ないのですが、
実際作るべきもの自体が自分のイメージ通りになる事ばかりじゃないので
その辺の折り合いをつけないといけない所が工作動画の特徴的なところですね。

②音楽に合わせて動画を作る面白さ、大変さ

今回は自分が尊敬しているMAD動画の「G4U」と「T4U」を元に
製作動画を作ったのですが、音楽のテンポに合わせて
工作のテンポを調整する作業が製作時間のかなりの割合を占めています。
製作部分の動画は全カットをフレーム単位で調整しています。
あと、1~50倍まで加減速してます。
今までここまで詰めて動画作ったことが無かったので色々新鮮でした。

感じたこと
ひょっとしたらこの動画を見て「なぜ300milに出来るのに、600milで販売したのだ」という感想を
持たれるかもしれません。

聞くところによると、NXPさんは28pinのDIPの型は600milしか持っていないので新たに300milの型を作ると
非常にコストが上がってしまうからだという話がありました。

しかし、僕はこの工作を経てそんな事はどうでもいいじゃないかと思うようになりました。
どの道DIPを製品として使うケースは稀で、本マイコンは主に教育やホビー用途で使われるのですから
300milにするところまで工作だと思えばいいんじゃないかと考えるようになりました。
(CNCが無くても鋸とヤスリで可能かも知れません!)

つまり僕にとってトラ技付録のLPC1114FNは600milマイコンではなく【300mil化キット】なのです。
手を動かすことによって物事の視点が変わるというのは貴重な経験ですね。

実は300mil化したマイコンは作り方や塗装方法を変えて合計3つ作りました。(今度写真を撮って貼ります)
600milのマイコンを8個買って、LPCxpressoも購入しました。
こんなにひとつのマイコンに没頭したのは久しぶりです。

重ねて本マイコンに感謝をしたいと思います。
600milでありがとう!

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エトセトラ
ここからは作っている間にいくつか出来た話のネタを書いてみたいと思います。

1.実際に製作するに至った経緯

実は@okamo41さんという方がツィッター上で【ある600milのDIP】のX線透過写真を掲載されているのを見て
もし、これがLPC1114だったら、ある程度は削りこめるんじゃ・・・・と思ったのがキッカケです。
また、昔見たテレビドラマに「電子立国日本」という番組があって、その中でDIPの中のICのコア(ダイ)を視聴者に見せるためにCNCで削り、薬液で露出させたシーンがありました。
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見事にダイが露出していますね。昔はリバースエンジニアリングの手法として用いられていたそうです。
この二つの事柄が結びついて、やってみるのも面白そうだと思って始めたのがキッカケです。

2.試行錯誤と構造確認

最初の一個はうまくいきました(前回の日記)。
それから失敗を2つ出してしまいました。(パターンが外れてしまった)
一個作るのに樹脂の硬化も含めると動作確認まで10時間以上掛かるので
非常に困ってしまいました。
原因としてはやはりDIPの構造をちゃんと把握していない為でした。
そこで仕方なく、CNCで一個を全部削ってみました。
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中々壮観ですね。
中央に見えるのがダイです。
噂ではQFNパッケージが入っているのではないかという話も有りましたが、実際はダイでした。
さらにパターンを外しました。
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上に見えるのが中央のパターンです。
これはダイを載せると同時に冷却する役割があったと思われます。

分解したおかげでダイとパターンの接続は切削面の上部で行われている事がわかりました。
また、どこまでが削ってもいい所かを検討するのにも有効でした。

こうした知見から歩留まりが向上し次の2個の製作は成功しました。
そのうちの1個が動画に使われました。

3.カロリーメイトみたいな

前回の日記でカロリーメイトみたいになったと言ったのでちょっと確認してみました。
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チョコレート味です。
似てるっちゃあ似てるか・・・・
600milでした。


マイコンとしての評価

LPC1114を実際に使ってみて感じた長所と短所を挙げます。
ただ、私がメインで使用しているマイコンはSTM32ですので、
どうしてもそれとの比較になってしまう点はご了承ください。

●長所
①非常に安い。マルツパーツで120円。PIC等の8bitマイコンと比較しても安い部類に入る。
②タイマのレジスタが素直で扱いやすい。(自分はペリフェラルの中でタイマが最も重要だと思っています。)
DIPをひっくり返しブレッドボードに差し込んでも壊れない電源ピンの配置になっている。
(例えばPICの場合はブレッドボードを道連れにして焼けてしまったりする。)
④Lpcxpressoは2000円程度で高機能のデバッグ環境が手に入る。
開発環境もかなりリッチで容易に構築できる。。
(128kByteは事実上無制限。)

●短所
①PWMがLow→Highの論理で反転ができない。
例えば100クロックの周期でコンペアを20クロックに設定すると
デューティー比は80%になり感覚的にかなり扱いづらい。
反転する為には周期とデューティー比の差を計算する必要がある。  

ペリフェラルを設定する関数のライブラリが少ない。
つまり多くの設定はレジスタを直接叩く必要がある。
レジスタ直叩きのコードから動作を理解する為には
レジスタを調べる必要があるのでで、コードの可読性が低くなる。

③タイマのコンペアレジスタ(カウント値と比較されるコンペア値を示したレジスタ)に
シャドウレジスタ(コンペアレジスタがカウント一致時に更新される為にある、バッファ的なコンペア値レジスタ
が無い。
つまり、コンペア値は直接書き換える他に無いのでカウントの一致と非同期になる。
NE555PさんがMARY基板を用いられた動画で音楽再生に対してノイズが発生すると説明していたのも、
これが原因。

分かりにくいと思うので例を挙げる。
例:16bitカウンタにおいて、,コンペア値が20000で設定され,プリスケール値が40000に設定されている場合、
現在のカウント値が10000だとする。
このとき、コンペア値を5000に書き換えると、即座に書き換わるので、コンペア値<カウント値となる。
仕様上、このときコンペア一致動作は起こらないのでカウント値は
一致動作が起こらないまま一度40000までカウントされてから0に戻り、
それから5000まで再び上昇したときにコンペア一致動作が起こる。
    コンペア動作だけでなく、PWMも同様。

無理やり解決するとしたら、下記のような方法だろうか。
Ⅰ.コンペア値を変更するときカウント値を常にソフトで監視する。
Ⅱ.0付近になった時に、コンペア値を更新するようにする。
(一回の監視ルーチンに必要なクロック数の幅を持たせる。また、それが最小のデューティ比になる。)
まぁ、CPUパワーを大きく使う事になるし、監視中は割り込みが出来なくなるので
応答が問題になるアプリケーションには使えなくなります。

④DMAが無い。
DMAはとっても便利だ・・・安価なマイコンにこれを求めるのは贅沢ではあるけど、
欲しい機能では有る・・・・・

以上です。
安価なマイコンとは言え、8bitマイコンに比べると非常に高性能(50MHzとか32bitタイマーとか)であるので
価格分の価値は十分にあると思います。

LPC1114のDIPを600mil→300milにしてみました。

○LPC1114購入しました。
NXPさんから発売されたLPC1114FNは安価かつ高性能なエントリー用CORTEX-M0マイコンとして
今月のトランジスタ技術の付録にもなったのでご存知の方も多いと思います。

私も興味が有ったので購入してみました。
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日本橋マルツパーツ館で120円と非常に安価に入手できました。
32bitのARMマイコンがここまで安価に購入できるとは凄い時代になりましたね!

しかし、このDIPマイコンは600milサイズのDIPという事で
ネット上でも残念がられている方を散見します。
そして私も未熟ながら「300milなら完璧だったのに」と思ってしまいました。
しかし、『暗いと不平を言うよりも進んで明かりをつけましょう』精神で
300mil化してみる事にしました。


○ぶった切る

まず、CNCフライス【mini-CNC BLACKII】にて加工を行います。
DIPマイコンの足を広げて、塩ビ製の捨て板(CNCの土台に傷がつかないようにする)に
両面テープでセットします。
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さて、ここからが本番です。

まず第一段階としてパッケージを300milサイズに切断します。
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エンドミルの歯が折れないように少しずつ、少しずつ削ります。

キュィイイイイイン!!!!!!
バリバリバリバリバリ
!!!

マイコンが悲鳴をあげます・・・・

 「痛くない・・・痛くない・・・
ビケちゃん・・・
削られていくマイコンを励ましながら作業を続けます・・・・・

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切断できました。
おお、コアを傷つけずにパターンだけ露出させて切断する事ができたじゃないですか!!

しかし、このままでははんだ付けをする事が出来ません。
さらにパターンの上部のみを削ります。
慎重に、薄く・・・薄く・・・・






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予想以上に綺麗にできました!!!


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300milのソケットピンに載せてみました。
いい感じです!


○はんだづけ

さて、ここまでくれば後ははんだ付けをするだけです。
先ほどのソケットピンでは少々実装しにくかったため、
ブレッドボードにヘッダピンを立てて、その上にはんだ付けを行うことにしました。
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まず四隅をはんだ付けして・・・

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全ピンをはんだ付け。
フラックスを使ってみたらはんだが非常に濡れやすくなって作業がしやすかったです。

表面実装部品で言えば0.75mmピッチの部品に配線する程度の難易度です。
僕の不器用な腕でもなんとか配線する事が出来ました。


○配線完了
できました。
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おお、これが私の待ち望んでいた300milのCORTEX-M0のDIPマイコンなのです・・・・

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Arduinoと並べてみました。
バッチリ同サイズです。


○パッケージ化


一応、ピンとマイコンを接続したとはいえ、配線でつながっているだけなので
このままではブレッドボードから付け外ししただけで容易に壊れてしまいます。

そこで配線を樹脂で充填し固める事にしました。
つまり再度のDIPです!
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充填用樹脂のエポキシパテです。
中には粘土のような樹脂が2種類入っていて、これを等量ずつ混ぜ合わせると数時間で硬化します。

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パッケージをパテで包みました。
・・・・・汚い!!!汚すぎる!!

自分の不器用さを呪うばかりです。
しかし、膨れているところを押せば別のところが膨れたりして中々うまくいきません。


そこでまた、CNCの力を借りる事にしました。
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キュィイイイイイン!!!!!!
バリバリバリバリバリ
!!!

全ての面をドリルで削ります。

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できました。
機械はぶれたりしないので綺麗な面が出ます。
僕の適当な盛り付けにも関わらず(ある程度)リカバリしてくれました。
便利ですね!

今、上の写真ではDIPスタイロフォームに刺さっています。
スタイロフォームとはキメの細かい発泡スチロールのようなもので
今回は塗装からピンを保護する為に使用します。

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アクリル塗料のスプレーです。
表面を整えるサフ(サーフェイサー)と塗装用の黒の二つを使用します。

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まず表面の状態を見るためにサフを吹きます。
大丈夫そうですね。

このまま黒を塗ってもいいのですが、それでは何のICか分からなくなるので
ICの型式をCNCで掘り込む事にしました。

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キュィイイイイイン!!!!!!
バリバリバリバリバリ
!!!


今回大活躍ですねー。
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彫れました。
非常に分かりやすい。
そしてもう一度サフを吹いて、黒スプレーで彩色して仕上げます。

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できました。
これを一目見たときにこう思いました。

カロリーメイト チョコレート味』


このボソボソとした質感が・・・・・・
すみません、素人なんで勘弁してください・・・・・・
パテが十分でなかったようです。
次回(!?)はもう少し考えたいと思います。

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元のDIPと比較してみました。半分のサイズになっていますね。
強度もガチガチで当初の目標は達成できたのでとりあえずこれで良しとします!

○動作テスト

作った300milのDIPパッケージを、今月のトラ技を参考に動かして見ます。
書き込みの環境を整えます。

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上の四角いのがUSB→シリアル変換機(プログラム書き込み機)で
左側のは電源供給用パーツです(STM32のデバッガとして使っているものです)

Keilの開発環境でビルドしたHEXファイルを書き込みます。
さっきは300milで書き込み環境を整えてはみたのですが、
配線ミスで壊れたら全然笑えないので
まず600milで書き込みテストをします。
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このサンプルはボタンを押すと光るLEDが変わる『手動Lチカ』プログラムです。
問題なく書き込み,動作する事を確認しました。


そして今回のDIPへ・・・結構緊張します。









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やりました!!
バッチリ動きました!!!


これで(見た目以外)文句なしの300milDIPのLPC1114が完成しました!!
やったー!

これからこのマイコンで遊んでいきたいと思います。
では!!

PS:動画投稿しました。


FusionPCBで基板を作ったよ。

○近況
最近やっと電子工作に手を出せるようになりましたw

今までメディアプレイヤーを作るという話だったのですが、
とんすけさんSTM32F4でjpeg動画も再生できるプレイヤーを作られていており、
非常に完成度が高く、素晴らしいと思いつつ自分がこれ以上のものを作るのは難しいなーと思ったので
一旦、この製作は保留にして今度はロボットを作ろうと思います。

どのようなロボットを作るかというのは、また目処が付いたら報告しますので
気長に待ってやってくださいw


基板製造サービスFusionPCB

中国の深セン市にある「Seeed Studio」では
基板製造サービスの「FusionPCB」を提供しています。
3回程利用してみて非常に満足しているので紹介させていただきます。

FusionPCBは下記のような特徴があります。

① 50mm×50mmの基板が10枚で送料込み約1200円と非常に安価。
  100mm×100mmの基板は約2700円。
② 裏面のシルク付けが出来る。
③ 基板の厚みを0.6~2.0mmまで無料で選択できる
④ 基板の電気的チェックが5枚まで無料で実施される

(ただ、私が発注したときは3回とも10枚検査済みでした)

⑤ 納期はデータ送信後から12~14日(スムーズに製作が進んだ場合)
⑥ PayPal支払いで安心


有効に使えば今までユニバーサル基板での電子工作で
敬遠していた表面実装部品が気兼ねなく使えるようになります!
私が実際に製作した基板は最後に紹介します。

○注意点
発注方法は他のHPで紹介されているのでここでは紹介しませんが
設計の際の注意点を記述します。

①デザインルール
FusionPCBはEAGLE用のデザインルール(基板の精度の限界を定める規定)ファイルを
提供しているのですが、高精度で余裕の無いデザインルールになっているらしく
発注された方の中にはパターン切れやショートを起こしている方もいらっしゃいました。

写真でみる工作室」さんでは
OLIMEX(別の基板受託サービス)が発行している比較的余裕のある
デザインルールを使用して設計することを推奨しています。
ただし、このデザインルールではパターン幅やパターンの間隔が0.25mmとなっており、
STM32チップ等の0.5mmピッチの表面実装部品のパターンを配線するのは難しくなります。

どれくらいがパターン切れを起さない限界かというのは難しいところですが
実際に私が発注した限りではパターン幅及びパターンの間隔は0.2mmであれば
パターン切れやショートは起こしませんでした。

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イメージ 11








EAGLEでの設定例。
ドリル径はFusionPCBの最小0.3mmに対して
最小0.4mmにしました。

○ベタアースとの間隔
FusionPCBが閲覧を推奨しているPCBのTIPSページ「Get your PCB made」では
ベタアース(ポリゴン)とパターンの間隔は最低12mil(0.4mm)以上
必要だとしているので従ったほうが良いと思います。
イメージ 1












EAGLEでは「Infoコマンド」でポリゴンの外形線を選択し
Isolateの項目にてパターンとの間隔を設定します。


○基板の製作例
(写真はクリックで拡大できます。あと裏面のシルクに絵を入れてますが気にしないでくださいw)

①Chu-moyAMP(低インピーダンスVer)

非常に有名なヘッドフォンアンプです。
ヘッドホンアンプ自作 初心者のための解説 Wikiで紹介されている回路を元に設計しました。
ユニバーサル基板で作った事は有ったのですが、一度ベタアースの基板を作ってみて
音質が改善するか試したかったので作りました。

イメージ 2

初めての基板製作だったので、誤ってシルクの定数がC1とC2以外が抜けてしまいました。
CAM出力の時点で選択するのを忘れていました。
50mm×50mmで1200円でした。

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実装状態。ベタアースを使用したので心持ち音質が改善したと思いますw

②NULL_Driver

モータードライバ基板です。

イメージ 4

50mm×80mmの基板が2枚面付けされている100mm×80mmの基板です。
FusionPCBのルールでは面付けを切り離すためのVカットや連続したドリル穴は禁止されている為
プラスチックカッターで切りました。
よって面付けにする場合は切りしろを1mm程度設けた方が良いです。

設計上の話ですがモーターの電流が流れるパターンのみレジスト禁止設定にしてます。
部品を実装する時に配線をパターン上に這わせてはんだ付けを行い電流容量を確保します。

100mm×80mmで2700円でした。
ちなみにFusionPCBでは50mm×100mmと100mm×100mmは同じ価格なので
前者のサイズに収まる場合は面付けがお勧めです。

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実装。ほぼSTBeeと同サイズです。
小型ながら高性能FETを実装しているため、連続20Aまでなら放熱板なしで駆動できます。
モーター駆動部とSTM32による制御部は絶縁されています。
負荷電流検出ICつき。ポテンショメータやエンコーダでフィードバック制御を行います。
主にマブチ540等のDCモータをターゲットとしています。

また、2回目の発注から下記のようなシールをおまけしてくれるようになりました。
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③BARELY基板
ARMの小型基板ではLPCシリーズの「MARY基板」が有名ですが
私もSTM32の小型かつ低コストな基板を求め
私の拙い技術で「Barely(ようやく、かろうじて)基板」を作りました。

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実際はMARY基板というよりSTBeeMiniに近いです。
標準の5枚電気検査を指定したにも関わらずFusionPCBは10枚とも検査してくれていました。

23mm×40mmの基板が2枚面付けされている46mm×40mmの基板です。
カットすれば20枚になり、送料込みで1110円です。
つまり1枚辺りのコストは60円にもなりません。最強すぎる!


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実装。サイズの比較の為にSTBeeと並べています。
小さくて可愛いですね。
STM32F100C6T6B使用。
部品代だけで考えると一台約500円以下と非常にリーズナブルです。

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プログラムの書き込み中。
書き込み機はVersaloon化したSTBeeMiniをFRISKのケースに収めたものです。
書き込み方法はSWDのみですが数秒で書き込みが完了します。


ここまで安価になると、失敗を恐れずにガンガン試作基板設計ができるようになりますね!
基板設計ソフトの操作もそこまで難しくないので1ヶ月程度勉強すれば十分基板を作れるようになります。

基板設計ソフトの勉強用の資料としては「トランジスタ技術2011年10月号」がお勧めです。
特にEAGLEで設計する場合はこの1冊だけで十分といえる内容になっています。
バックナンバーですが上記リンクから購入できるようです。

個人の趣味でここまで出来るようになったのは本当にうれしい限りですね。


エレキジャックフォーラム 2012 レポ

お久しぶりです。
この数ヶ月は英語の勉強を主に行っているのですが
そろそろ英文データシートにチャレンジして電子工作を再開できたらと思っています。

また、ハンドルネームをアシッドからヌル夫に変更しました。
秋月300円液晶動画で再生時のnullnull感を褒めてもらったのでハンドルネームにしちゃいました。
ヌル夫が呼びにくかったらヌルとかでもいいんで適当に呼んでください。



4月14日(土)にエレキジャックフォーラムに行ってきたので、

今日はそのレポをします。

○エレキジャックフォーラムとは
エレキジャックフォーラムは電子工作を楽しむホビイストやエンジニアの為の作品、
製品の展示会です。

個人の出展物もたくさん並んでいるのでニコニコ技術部の勉強会と似ている雰囲気ですが、
最大の違いは企業による出展やトークショーが催されている事です。
企業の出展と言っても、ホビイスト向けなので個人購入できる価格の製品や、ロボットのデモなど
非常に面白い企業ばかりでした。

それらも含めて以下、感想を述べたいと思います。


出展者:個人,学生

れすぽん氏によるパターンペイント基板

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説明は不要ですねw
もちろん機能する基板として設計されており、使用用途はFPGAの評価ボードです。
ニコニコ動画に非常にクオリティの高い動画を投稿されているのでリンクしておきます。
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(画像のクリックで動画にジャンプ)

この動画だけを見ると萌え絵基板という点だけに注目してしまいますが
トークセッションや同氏の技術同人誌「Nice board」(ネーミングww)を読むと
この基板の開発当初の目的は個人で手軽に基板を自作できるように
部品実装面を片面に抑えてエッジングの省力化を目指した結果、
裏面のパターン面に高い自由度が出来たとの事で
そこで絵を描いてみようということになったそうです。

実際にこの基板を個人に作ってもらう際は下記のように絵を描いていた面はシール基板が使われます。
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非常に綺麗な配線ですね。配置が考え尽されています。

その他様々なノウハウと工夫がある事を知り、
これはただのネタ基板なんてチャチなものじゃ断じてねぇ(ry)と思いました。


千葉工業大学 電子工学研究会によるMINTIA電子工作品
ニコニコ技術部にもMINTIAへの実装に情熱を燃やす方が多く居ますが
こちらも相当のつわものです。

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ARMマイコンを使用したMINTIAディスプレイと電光掲示板。

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解説プレート

極限まで薄い基板と表面実装部品,そしてフレキシブルケーブル。
無駄な隙間など全くありません、どこまでも本気です。
カッケェ。
MINTIA自作派の方々の作品は薄さへの執念のようなものを感じます。

mbed開発環境でコンパイルしたバイナリをLPCXpresso経由で書き込んでいるそうです。
ライブラリの活用で開発が効率化できたとのことです。
LPCマイコン単体にもmbedのバイナリが使えるとは知りませんでした。
興味深い!


出展者:企業

RSオンラインによる無料の回路CADと名刺サイズの低コストPC

●DesignSpark PCB
RSオンラインは企業向けに電子部品の通信販売を行っている企業で本社はイギリスにあります。
一見ホビイストからは遠い企業のようにも思えますが、今回は非常にインパクトの大きい展示していました。
それが個人でも利用できる無料回路CAD「DesignSpark PCB」です。

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画像をクリックするとHPにジャンプします。

このソフトは無料にもかかわらず、下記のように驚くほど多機能かつ高機能です。
1.サイズ,レイヤ数に制限なし
2.自動配線機能を実装。
3.Gerberファイルや部品表など様々なフォーマットに対応
4.3Dレンダリング機能を持つ上、google sketchup等のCADソフトと連携してメカトロの設計支援も行える。
5.LTspise等の回路シュミレータとも連携可能。


あまりに高機能なのに驚いてRSのスタッフの方に
「なんでこんなに高機能の回路CADを無料で出しているんですか?」と聞いたところ
「基板設計から電子工作の裾野を広げるというコンセプトです。」との返答でした。

思うに、表面実装時代になってしまった現在において
基板設計は初級者でさえ必要になってくる基礎技術です。
その敷居が高いことは業界全体の衰退を招きかねないと思うので、
そこに投資されるRSさんは将来をしっかり見ておられるのだなと感じました。

とにかく僕もこのソフトで何かを設計したいと思います。

Raspberry Pi
前から話題になっていた名刺サイズの超小型プログラマブルPCですが
RSから購入できるようになるようです。  
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クリックすると詳細のHPに飛びます。

今回の展示ではLinuxOSである「Debian」をインストールした状態でデモをされていました。
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ブラウザ経由でインターネットを見ています。少しレスポンスは遅いですが
これで21.6ポンド(約2800円)だと考えると色々な用途に使えそうです。(周辺機器別)

ここで展示されたデモ機は世界で10台しかまだ無いもので、
これから量産,販売を開始するそうです。
既に2万件以上の予約が殺到していて入手までは半年以上かかる見通しとの事です。
   
   このサイズと価格はインパクトがありますね。

テキサスインスツルメンツによるマイコン展示

テキサスインスツルメンツマイコンも手がけており今回はその展示をしていました。

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MSP430に関して面白い話が聞けたので記しておきます。
Ti「MSP430は低消費電力が売りのマイコンで、スマートメータなどの用途をターゲットにしています。」
俺「16bitマイコンに珍しく、ADなどのペリフェラルも16bitと高精度なものを出されていますよね。」
Ti「特にこの製品は電力計のためにADが3つ搭載されていて、電圧,電流,電流を計測できます」
俺「なんで電流に2ch必要なんですか?」
Ti「それは電流の入力と出力が一致しているか確認する為です。
平たく言うと電気が盗まれていないかをチェックします。」
俺「へー!」
Ti「中南東アジアではこのような機能の需要が多いので開発しました」

日本に居るだけでは分からないニーズがあるのだなと感心しました。


月電子通商による展示販売


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 mbedのLPC11U24が販売されてました。

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恐ろしい程安い値段で売られていたジャンクパーツ。
φ3のLEDが1束(20個以上)で10円。10束買いましたw


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ジャンク福袋。ズッシリ来ます!



出展者:独立行政法人

産業技術総合研究所 梶田氏によるトークセッション

2速歩行ロボット及び女子型ロボットの最先端である「HRP-4」の開発を担当された
梶田氏が研究と今後の展望を解説されました。

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HRP-4。体格,体重,歩行動作が人間に非常に近い。

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実用の第1段階としてエンターティメント用途に用いられている。
ていうかこれ中の人に絶対ニコ厨い(ry)

セッションの内容で個人的に興味深かった点を記録します。

○HRP-4の頭部は元々人間に似せるつもりは無かった。
特に梶田氏はロボットのメタリックなデザインを推したそうです。
しかし僕は今の方が好みなので、
これに関しては人間型を推した人にグッジョブと言わざるを得ないw

○HRP-4の開発工数はソフトがはるかに大きい。
ハードの開発は1年。対してソフトは4年経った今でも改良を続けているそうです。

○梶田氏の描く二足歩行ロボットの未来
2025年のロボットは下記のような能力を持つと言っておられました。
●歩行5km/hで10時間稼動
●走行30km/h
●自然不整地の踏破
●体重30kg,可搬重量30kg
●人ごみでの日常的活動補助
ほぼ人間にできる事ができるようになるという事ですね。
梶田氏の考察でさらに興味深かったのは、
これらの能力を達成するためのハード的な技術的要素は既に揃っているとの見解でした。
あとは構造デザインとソフトウェアだけが問題であると仰っていました。
つまり、もっと多くの知能集約や天才の出現が起こればこの予想はさらに早く実現するとの事です。
ワクテカですね!   



こうやって書いてきても紹介したいものの半分も紹介できませんでした。
関西に住んでいる事もあり、エレキジャックフォーラムに来たのは2回目ですが
また行きたいと強く思いました。

あけました。

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

○こんな感じのブログです
ブログ上のメインの活動を振り返ってみると
前々年度は液晶のマイコン制御,
前年度は開発環境の構築の解説をしていました。
そして本年初旬は英文データシートを読むための英語の勉強がメインになりそうです。

段々とマイコン工作から離れている気もしますが、
自分ではこれも電子工作の為に必要な事だと思っています。

○英語に関して
学生時代から英語に全く触れていなかったので今は、
中学英語からやりなおしています。(今は不定詞)

英語って一つの単語に複数の意味があるんですね。
という事は翻訳プログラムって原理的に確実に正確に約す事は不可能という事ですね。
翻訳エンジンを作る人の苦労がしのばれます。

○これから
やりたいことは色々ありますが全部をやる事は時間的にも実力的にも難しいので
技術的にしろ、ネタ的にしろ面白いものから手をつけていきたいですね。