チカラの技術

電子工作やプログラミング

CORTEX-M3のマイコンボード比較

書籍「ARMマイコン」を読みました。
 
CORTEX-M3コアマイコンと一言で言っても
様々な種類やアピールポイントがあるのだなと感心しました。
 
そこでCORTEX-M3のお勧めポイントと、
マイコンボードの紹介,比較をしてみたいと思います。

CORTEX-M3マイコンはここが良い
 
ARMの次世代アーキテクチャCORTEX。
CORTEX-M3のライセンスを受けたマイコンメーカー(以下ベンダ)は
ARM7からCORTEX-M3へガンガン移行しています。
 
CORTEX-M3は性能を確保する為に必要な
ゲート数(半導体の数)が少ないため価格性能比が非常に優れています。
 
例を挙げると
○STM32F103VET6(STBeeに使われているマイコン
  72MHz,ROM512kB,SRAM64kで1386円。
  DigiKey
 
LPC1768(mbedやLPCXpressoに採用されています)
  100MHz,ROM512kB,SRAM64kBで1039円。(安い!)
  DigiKey
 
32bitマイコンがこの価格で買える時代が来るとは・・・・
これだけ高性能ならば、電子工作においても有り余るパワーを使い
妥協無く作りたいものが作れそうですね!
 

③2大ベンダの現状
 
STマイクロエレクトロニクスは比較的早くCORTEX-M3マイコンを提供したベンダで
CORTEX-M3マイコンベンダの中では大きなシェアを持っています。
(2009年は80パーセント,2010年は60%程。ソース
 
しかし、現在NXPセミコンダクターズが猛烈な勢いで追い上げてきています。
というか性能においてはLPCシリーズが1世代先に行っています。
(120MHz,ノーウェイトフラッシュ品がすでに販売されている。
 
今後CMSIS(同一コアのマイコンのソフトウェアの標準化)が進みベンダの乗り換えが容易になれば
さらに競争は激しくなるものと予測されます。
 
ちなみにSTマイクロの最新シリーズ[F2]は2011年第一四半期に量産予定だそうです。
120MHz,ノーウェイトフラッシュ,USBハイスピード対応!
pin互換ならSTBeeに乗せ替えができるぞ!ワクワクだな!

②実際使うならマイコンボードじゃないとね!
 
マイコン単体では表面実装部品であるため
ホビーユーザーには気軽に手を出す事が出来ません。
 
そこで登場するのがマイコンボードです。
マイコンボードなら水晶振動子コンデンサが最初から実装されている上に
IOピン幅を扱いやすい2.54mmに配置してくれます。
 
CORTEX-M3マイコンを提供するベンダは数あれども
安価かつ、電子工作品に組み込めるサイズの
マイコンボードが発売されているのは
STM32とLPCシリーズだけだと思います。
 
ホビーユーザーの間で人気があると思われる
マイコンボードを挙げてみました。
イメージ 1
1.豊富な日本語資料!拡張性が抜群のSTBee 
 
 
イメージ 2
2.豪華絢爛、基板にデバッガがついてくるよ!LPCXpresso
 
 
イメージ 3
3.人気爆発!クラウド開発、手軽に超高性能のmbed
 
どれを選ぶかは開発スタイルによりけりですが
判断材料として各々のマイコンボードのスペックを調べた範囲で比較してみました。
画像の右下をクリックで拡大されます。
 
イメージ 4
ホビーユーザーは英語が堪能では無いと言う前提で、日本語資料の有無に重点を置いています。
 
一応客観的に見たつもりですがご意見有ればコメント欄に記入ください。
検討の上、修正します。
 

③総括
[STBee]
マイコンボードのお勧めとして私はSTBeeを挙げたいと思います。
pin数の多さによる拡張性の高さ、
SDIO(SDカードから8MB/secの読み込み。)は大変魅力的です。
また日本語資料の豊富さから、全ての機能を詳細に把握し、
自在に利用する事が可能なので柔軟に電子工作ができて作っていて楽しいです。
(機能を覚えるのはちょっと大変ですがw)
 
あと、STマイクロエレクトロニクスさん・・・・・
お願いですから公式サイトなんとかしてください! (><)
 
[LPCXpresso]
LPCXpressoはこの価格でJTAGデバッガが最初からついてるという
冗談みたいなスペックのマイコンボードです。
日本語データシートさえもっと有れば、メイン基板の有力候補だったのですが・・・惜しいです。
英語がもっと読めるようになりたいです。
 
[mbed]
開発環境の導入の容易さからmbedの人気は非常に高く、作例も多いです。
日本では一番人気があるのではないでしょうか?
基本性能も高く、イーサネットも利用可能な為
デバッガを用いない開発には最適な選択なのかもしれませんね。
・・・・!!!撮影できますPさん!
 
これからも各ベンダから魅力的な製品(特にマイコンボード)がどんどん生まれていく事に期待しています。